スタッフブログ

Staff blog

2025.3.17|ブログ

第15回 日本腎臓リハビリテーション学会

2025.3.15-16
「第15回 日本腎臓リハビリテーション学会」今回のテーマは 『楽しいから始める腎リハ~ウェルビーイングな暮らしを求めて~』 であり、日本全国から腎臓リハビリに関わる多職種の医療従事者が集い、様々な演題が発表されました

※ウェルビーイング:身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念

当院からは、3月16日(日)に以下の3演題を発表させていただきました
①看護師 大森
「自分らしい人生のため~楽しくリハビリの先に見出すもの~」

②理学療法士 小暮
「4ヶ月離床困難だった患者様が歩行能力を獲得するまでの経過」

③看護師 小野口
「当院透析患者の健脚を維持する取り組み~健脚アプローチ10重奏(デクテット)」

また、当院CKD外来でお世話になっている国際医療福祉大学教授の安藤先生にも座長としてご参加いただきました。

近年、腎疾患患者の高齢化に伴い、尿毒症・栄養障害・食事制限などの腎疾患特有の病態が影響し、フレイル・サルコペニアが進行することで生命予後の低下や健康寿命の損失といった深刻な問題に直面しています。

これらの課題に対し、多職種が連携しながらアプローチする重要性を改めて実感するとともに、腎臓リハビリテーションのさらなる発展の必要性を強く感じました。

フレイル・サルコペニアの予防には定期的な運動が必要ですが、なかなか生活の中に運動習慣を落とし込む事が出来ていません。説明をするだけでは十分な効果が得られないなどのネガティブな発表も多い印象でした。

また栄養管理に関して、透析患者さんではフレイルサルコペニア予防のため筋力アップを目指す場合はタンパク質の摂取を促すためPが高値なってしまうジレンマがあります。

同じ透析を行なっている患者さんでも、状況によっては同じ食事制限を行うのではなく、骨を強くしたいのか、筋力を増やしたいのかで正反対の食事内容を指導していく、目的に合わせて制限を緩和していくことも必要との発表もあり勉強になりました。

最後に、この度は院長先生をはじめ、スタッフの皆様のご理解とご協力のおかげで、無事に学会に参加し発表することができました。
貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。

大森・小暮・小野口

제15회 일본 신장 재활 학회에 참가했습니다.

我們參加了第15屆日本腎臟康復學會。

We participated in the 15th Japanese Society of Renal Rehabilitation.

2025.3.17|ブログ

旅行透析事業の引き継ぎ

2025.3.14
「旅行透析事業の引き継ぎ」

当院長先生が代表を務めている「世界旅行透析医療ネットワーク(World Travel Dialysis Medical Network:WTDM)の代表を『韓国ボミルヨンセ内科医院』の李院長先生へ譲渡する為、契約書を交わしました。

“World Travel Dialysis Medical Network: WTDM”의 대표를 한국의 이 원장 선생님께 인계하였습니다.

“World Travel Dialysis Medical Network: WTDM”的代表由韓國的李院長老師接任。

Dr. Lee of South Korea will take over the new representative of “World Travel Dialysis Medical Network: WTDM.”

2025.3.13|ブログ

世界腎臓デー

2025.3.13

「世界腎臓デー」

世界腎臓デー(World Kidney Day)は、毎年3月の第2木曜日に実施される国際的な記念日です。

この日は、慢性腎臓病(CKD)の早期発見と治療の重要性を広めることを目的としています。

この取り組みは、国際腎臓学会(ISN)と腎臓財団国際連合(IFKF)によって始められました。

現在では世界各国でイベントやキャンペーンが行われ、CKDに対する理解を深める活動が行われています。

【慢性腎臓病(CKD)の現状とリスク】

慢性腎臓病(CKD)は、腎障害や腎機能の低下が持続的に進行する病気です。日本では約1,480万人のCKD患者がいるとされ、これは20歳以上の約7人に1人が影響を受けている計算になります。

この病気の特徴は、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。そのため、多くの方が気づかないうちに進行してしまいます。CKDが進行すると、末期腎不全や心疾患、脳卒中など、生命に関わるリスクが高まるため、早期の段階での発見と適切な対応が非常に重要です。

【腎機能の改善と食事療法の重要性】

腎機能は年齢とともに自然に低下します。しかし、不適切な生活習慣や食事がこの低下を加速させることがあります。

1980年代には、年間eGFRが10以上低下するケースも珍しくありませんでしたが、治療法の進化により、現在では年間2程度の低下に抑えられるようになっています。この改善には、特に食事療法の果たす役割が大きいとされています。

【腎臓を守るための食事ポイント】

以下に、避けるべき食材と積極的に摂取したい食材を挙げます。これらを参考に、日々の食事を見直してみましょう。

<避けるべき食材>

・赤身肉(例:牛肉、豚肉)

・加工肉類(例:ハム、ソーセージ)

・塩分の多い食品(例:漬物、インスタント食品)

・砂糖を含む飲料(例:清涼飲料水、ジュース)

<積極的に摂取したい食材>

・新鮮な野菜や果物

・ナッツや豆類(例:アーモンド、大豆)

・全粒粉製品(例:玄米、全粒パン)

・魚(特に脂肪分の少ないもの)

・低脂肪乳製品(例:豆腐、ヨーグルト、納豆)

食事療法を正しく実施することで、腎機能の低下を抑え、健康を維持することが期待できます。

【腎機能低下を防ぐ最新治療法】

近年、医学の進歩により、食事療法だけでなく薬物療法も重要な選択肢となっています。特に以下の2つの治療薬は、腎機能低下を予防する効果があるとして注目されています。

1. SGLT2阻害薬

もともと2型糖尿病治療のために開発されましたが、糖尿病の有無にかかわらず腎臓病の進行を抑制する効果が確認されています。特に「ダパグリフロジン」は、腎臓を保護する作用に加え、尿タンパクの抑制や心血管疾患リスクの低減にも寄与することが報告されています。

2. ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬

もともとは高血圧治療薬として知られていますが、最近の研究で腎機能低下の抑制効果が確認されました。特に、2型糖尿病を併発しているCKDの患者さんに対して有効性が高いとされています。

これらの治療法は、患者の状態に応じて医師と相談しながら導入することが重要です。適切な治療を選択することで、腎機能の低下を抑え、健康な生活を維持することができます。

【肥満と腎機能低下の深い関係】

肥満は腎臓に大きな負担をかけ、腎機能低下のリスクを高める要因の1つです。研究*によると、BMIが増えるごとにリスクが上昇することが明らかになっています。

・BMI 30:BMI25に比べリスクが1.18倍に増加

・BMI 35:同じくリスクが1.69倍に増加

・BMI 40:同じくリスクが2.02倍に増加

肥満はCKDの進行を加速させるだけでなく、透析のリスクも高めるのです。日常的に適切な食事と運動を取り入れ、健康的な体重を維持することが腎機能を守るためには大切です。

【適正体重の維持が腎臓を守るカギ】

CKDの予防には、食事療法や新しい治療の活用、そして適正体重の維持が重要です。早期の取り組みが腎機能を守り、健康的な生活を続ける鍵となります。今回ご紹介した情報を参考に、日々の生活習慣を見直し、より良い健康状態を目指しましょう。

小山すぎの木クリニックは「世界腎臓デー」を応援しています

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

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