スタッフブログ

Staff blog

2025.3.17|ブログ

旅行透析事業の引き継ぎ

2025.3.14
「旅行透析事業の引き継ぎ」

当院長先生が代表を務めている「世界旅行透析医療ネットワーク(World Travel Dialysis Medical Network:WTDM)の代表を『韓国ボミルヨンセ内科医院』の李院長先生へ譲渡する為、契約書を交わしました。

“World Travel Dialysis Medical Network: WTDM”의 대표를 한국의 이 원장 선생님께 인계하였습니다.

“World Travel Dialysis Medical Network: WTDM”的代表由韓國的李院長老師接任。

Dr. Lee of South Korea will take over the new representative of “World Travel Dialysis Medical Network: WTDM.”

2025.3.13|ブログ

世界腎臓デー

2025.3.13

「世界腎臓デー」

世界腎臓デー(World Kidney Day)は、毎年3月の第2木曜日に実施される国際的な記念日です。

この日は、慢性腎臓病(CKD)の早期発見と治療の重要性を広めることを目的としています。

この取り組みは、国際腎臓学会(ISN)と腎臓財団国際連合(IFKF)によって始められました。

現在では世界各国でイベントやキャンペーンが行われ、CKDに対する理解を深める活動が行われています。

【慢性腎臓病(CKD)の現状とリスク】

慢性腎臓病(CKD)は、腎障害や腎機能の低下が持続的に進行する病気です。日本では約1,480万人のCKD患者がいるとされ、これは20歳以上の約7人に1人が影響を受けている計算になります。

この病気の特徴は、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。そのため、多くの方が気づかないうちに進行してしまいます。CKDが進行すると、末期腎不全や心疾患、脳卒中など、生命に関わるリスクが高まるため、早期の段階での発見と適切な対応が非常に重要です。

【腎機能の改善と食事療法の重要性】

腎機能は年齢とともに自然に低下します。しかし、不適切な生活習慣や食事がこの低下を加速させることがあります。

1980年代には、年間eGFRが10以上低下するケースも珍しくありませんでしたが、治療法の進化により、現在では年間2程度の低下に抑えられるようになっています。この改善には、特に食事療法の果たす役割が大きいとされています。

【腎臓を守るための食事ポイント】

以下に、避けるべき食材と積極的に摂取したい食材を挙げます。これらを参考に、日々の食事を見直してみましょう。

<避けるべき食材>

・赤身肉(例:牛肉、豚肉)

・加工肉類(例:ハム、ソーセージ)

・塩分の多い食品(例:漬物、インスタント食品)

・砂糖を含む飲料(例:清涼飲料水、ジュース)

<積極的に摂取したい食材>

・新鮮な野菜や果物

・ナッツや豆類(例:アーモンド、大豆)

・全粒粉製品(例:玄米、全粒パン)

・魚(特に脂肪分の少ないもの)

・低脂肪乳製品(例:豆腐、ヨーグルト、納豆)

食事療法を正しく実施することで、腎機能の低下を抑え、健康を維持することが期待できます。

【腎機能低下を防ぐ最新治療法】

近年、医学の進歩により、食事療法だけでなく薬物療法も重要な選択肢となっています。特に以下の2つの治療薬は、腎機能低下を予防する効果があるとして注目されています。

1. SGLT2阻害薬

もともと2型糖尿病治療のために開発されましたが、糖尿病の有無にかかわらず腎臓病の進行を抑制する効果が確認されています。特に「ダパグリフロジン」は、腎臓を保護する作用に加え、尿タンパクの抑制や心血管疾患リスクの低減にも寄与することが報告されています。

2. ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬

もともとは高血圧治療薬として知られていますが、最近の研究で腎機能低下の抑制効果が確認されました。特に、2型糖尿病を併発しているCKDの患者さんに対して有効性が高いとされています。

これらの治療法は、患者の状態に応じて医師と相談しながら導入することが重要です。適切な治療を選択することで、腎機能の低下を抑え、健康な生活を維持することができます。

【肥満と腎機能低下の深い関係】

肥満は腎臓に大きな負担をかけ、腎機能低下のリスクを高める要因の1つです。研究*によると、BMIが増えるごとにリスクが上昇することが明らかになっています。

・BMI 30:BMI25に比べリスクが1.18倍に増加

・BMI 35:同じくリスクが1.69倍に増加

・BMI 40:同じくリスクが2.02倍に増加

肥満はCKDの進行を加速させるだけでなく、透析のリスクも高めるのです。日常的に適切な食事と運動を取り入れ、健康的な体重を維持することが腎機能を守るためには大切です。

【適正体重の維持が腎臓を守るカギ】

CKDの予防には、食事療法や新しい治療の活用、そして適正体重の維持が重要です。早期の取り組みが腎機能を守り、健康的な生活を続ける鍵となります。今回ご紹介した情報を参考に、日々の生活習慣を見直し、より良い健康状態を目指しましょう。

小山すぎの木クリニックは「世界腎臓デー」を応援しています

2025.3.11|ブログ

EVENITY Web Symposium

2025.3.10
「EVENITY Web Symposium」
共催:アムジェン株式会社
共催:アステラス製薬株式会社
12:00~12:35 WEB
≪骨粗鬆症治療概念の進捗≫
<キーワードは「3年、2人に1人、70%」>
【骨粗鬆症】
骨粗鬆症とは、骨の強度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。
骨の強度が低下する主な要因としては、主に女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏、加齢、運動不足などの生活習慣の影響が考えられます。一般的に広く認識されている“原発性骨粗鬆症”に関しては、加齢ならびにエストロゲン欠乏のために、閉経後の女性が発症しやすいです。
骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、せぼね(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨 (大腿骨頚部骨折)などです。
骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。骨粗鬆症は骨折しやすくなるだけでなく、体全体の不調を招きかねない病気なのです。
【薬の低い継続率】
・骨粗鬆症は「何となく」怖い病気として捉えられている
・骨粗鬆症は、痛いわけでもないから、困るわけでもないと軽視される
・骨密度検査も、だいたいが横ばいの成績
・日常生活において何の効果の実感もない。
・・・その割に薬は高い
【予防】
・転ばないように注意する
・カルシウムを十分にとる
・ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムをとる
・適量のタンパク質をとる
・禁煙し、アルコールは控えめにする
・運動、日光浴をする
【治療】
内服薬や注射(カルシトニン製剤)などによる治療を行います。
骨折した場合は、それに応じた治療が必要です。
閉経後の女性には、整形外科医の定期的な検診をお勧めします。
【検査】
診断はX線(レントゲン)検査でも可能です。
骨の量や成分(骨密度)を測定するためには、デキサ法(2重エネルギーX線吸収法)、超音波法、MD法、CT法といった詳しい検査があります。
(※当院でも検査可能です)
【YAM値とは】
YAM(ヤム)値は、「Young Adult Mean(若年成人平均値)」の略で、骨密度を評価する指標の一つです。
20歳から44歳までの健康な同性の平均骨密度を100%としたとき、測定した骨密度がその何%にあたるかを示す値です。
例えば、YAM値が80%という場合は、同性の若年成人平均と比べて、骨密度が20%低いことを意味します。YAM値が高いほど、骨密度が高いと判断されます。YAM値は、骨粗鬆症の診断に用いられる重要な指標の一つです。
一般的に、YAM値が70%未満の場合は骨粗鬆症、70%以上80%未満の場合は骨量減少(骨粗鬆症予備群)と診断されます。80%以上であれば正常範囲とされています。
脊椎圧迫骨折がある場合はYAM値によらず骨粗鬆症と診断されます)
※ただし、YAM値は骨密度の評価であり、骨の強度を直接反映するものではありません。
※骨粗鬆症の診断や治療方針の決定には、他の要因も考慮する必要があります。
【TAKE HOME MESSAGE】
骨粗鬆症治療は「ゆっくりと生涯をかけて治療する疾患」から「短期的に治療目標を達成させるべき疾患」へと変わりつつある
「3年」で「2人に1人」が「YAM値70%」以上に改善する治療法の検討を。
※発表内容は演者個人の見解に基づくものであります。
골다공증 공부 모임에 참석했어요.
參加了骨質疏鬆症學習會。
I participated in the osteoporosis study group.

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

Archives