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院内勉強会

2021.4.27 ブログ

院内勉強会

「エナロイ:エナロデュスタット(Enarodustat)」
HIF-PH Inhibitor
鳥居薬品・日本たばこ産業

HIF-PH阻害薬の4番目の薬である「エナロイ」のDrug Information。

HIF-PH阻害薬の5剤競合の中、唯一のMADE IN JAPAN薬品。

肝機能障害の禁忌が今のところなく、エナロイの特徴とも言えるだろう。

薬価が高い印象は否めないが、それは国産なので我慢しましょう。

HIF-PHの機序は、毎回記していますが、今回も恒例ですので簡単に紹介します。

腎性貧血の治療として、HIF-PHを選択的に阻害することでHIFの活性を促します。その結果、EPOの産生促進、鉄の吸収促進、トランスフェリンの取り込み促進等によって赤血球の成熟・分化が促進されると考えられます。通常の酸素状態であってもHIFが活性化することで赤血球の数が回復する結果、腎性貧血の症状軽減に繋がります。

エナロイの併用注意も“リン吸着薬”、“多価陽イオンを含有する経口製剤”のみと少ないのも、使用しやすい薬剤だと思います。

2021.4.20 ブログ

院内勉強会

「エナジア吸入用カプセル:ENERZAIR」
ノバルティスファーマ株式会社
Indacaterol Acetate Glycopyrronium Bromide Mometasone Furoate

新しい喘息の吸入剤の説明をしていただきました。
エナジアは、抗炎症作用のあるステロイド(空気の通り道の荒れを整える)と気管支拡張作用のあるβ刺激剤(空気の通り道を広げ、咳を止める)の合剤に、さらに気管支拡張作用のある抗コリン剤(空気の通り道を広げ、痰を減らす)の3種類が混合された新しい吸入薬です。
単一吸入器による1日1回投与という簡便さも売りではありますが、きちんと吸引できなければ意味がないし、2剤から3剤に増えることは有害事象も当然増えるわけなので、2剤でのコントロールが不可な方など、慎重に選択しなくてはいけません。
喘息は世界中で3億5,800万人、日本では約800万人が罹患していると推定されております。喘息の症状がコントロール不十分な場合、個人的、健康的、経済的負担などの問題が生じます。説明の中で、既存治療を受けているにも関わらず、日本のガイドラインの治療ステップ1の45%、治療ステップ2の66%、治療ステップ3の80%、治療ステップ4の89%の患者さんは、症状のコントロールが不十分であるとの報告があるそうです。
ざっくり、喘息発作のコントロールが付きにくい患者さんに、エナジアを使えるようになったのは吉報と言えましょう。喘息の発作の繰り返しは大変辛いと思いますので、エナジアの投与により多くの患者さんの発作を軽減してもらいたいです。

2021.4.11 ブログ

第19回日本旅行医学会大会参加報告

4.82021.4.10〜11
「海外留学と最新コロナ事情」
Zoomによるオンライン開催

当医学会に参加し、ポスターにて「世界旅行透析医療ネットワーク(World Travel Dialysis Medical network)の始動」を発表させていただきました。

当医学会参加はへの背景は、当院が2016年からの海外活動に関して、トラベルスタッフの教育と育成の観点から、認定医師を始め、看護師・臨床工学技士・理学療法士等、現在14名の当会認定資格者を中心に活動。

当会の最大の強みは、最新の海外事情が学べる事です。今回の大会も、様々な国より発表があり、海外留学のテーマではテロ対策医療、危機管理医学、感染症対策、海外の保険や病院のかかり方などを学ぶ事が出来ました。

最新コロナ事情では、ニュージーランドのコロナ対策を聞きました。ニュージーランドと日本は共通点が多く、島国であったり、南北に長い国、気候が似ていて四季がある等(他、温泉がある、地震大国である、数字単位が同じ、左側通行、水道水が飲める)、だが、コロナ感染を封じ込めの対策は大きく違う。

対策は日本にも効果があるとの認識の下、コロナ感染が騒がれ始めた頃には、既にニュージーランドでは入国規制、警戒レベルの引き上げ、ロックダウンの対応が非常に早かった。ニュージーランド首相による早い判断と国民に対して分かり易く経済より人命尊重の説明が基本的にあり、ニュージーランド国民も厳しいコロナ対策や警告に従った背景も重要だ。170万都市オークランドで、たった3人の感染者確認で10日間のロックダウンの措置命令されるなど。

新型コロナウイルスに世界中が翻弄され、遠い国で起きた出来事だけど、自分の生活に直結する混迷な時代です。不安に打ち勝つには、正しい知識と正しい理解だと考えています。

こうした考察に至れる背景には、当医学会の参加が大きく関与している。

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

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