スタッフブログ

Staff blog

2024.11.30|ブログ

第8回Torii CKD Seminar

2024.11.28
「第8回Torii CKD Seminar」
主催:鳥居薬品株式会社
19:00~20:15 ZOOM

≪血液透析中の運動療法が体組成に及ぼす影響についての検討≫
サルコペニアとは骨格筋量や身体機能が低下する状態
透析患者さんはサルコペニアのリスクが高い
・透析中のエルゴメーター運動は骨ミネラル量を増加させ、体脂肪率を減少させた
透析中のエルゴメーター運動により下肢運動機能が向上する可能性が示唆された

課題は上半身部分

≪変わりゆく慢性腎臓病治療≫
CKD治療薬の進歩(腎臓版Fantastic Four?)
・RAAS阻害薬
・SGLT2阻害薬
・MR拮抗薬
・GLP-1受容体作動薬

≪腎機能低下患者の腎性貧血治療に期待すること≫
腎機能低下の患者さんに対して腎性貧血治療を行う上で3つの期待がある
・保存期腎不全の患者さんの腎保護作用に対する期待
・透析患者さんの心血管疾患発症抑制に対する期待
・保存期透析期両患者さんに対するQOL向上に対する期待

いずれの期待に関しても現時点では明確な結論が出ていない・・・今後の臨床研究の結果を待つ

HIF-PH阻害薬は、あらゆる可能性を持つ比較的新しい薬剤であり、期待感をもって診療したい

※発表内容は演者個人の見解に基づくものであります

CKD 스터디 그룹에 참가했습니다. HIF-PH 저해제에 대해 배웠습니다.

參加了CKD的學習會。學習了HIF-PH抑制劑。

I participated in the CKD study group. I learned about HIF-PH inhibitors.

2024.11.23|ブログ

小山 腎領域 Web Seminar

2024.11.20
「小山 腎領域 Web Seminar」
~地域で考える 高血圧治療~
共催:小山地区医師会
共催:ノバルティスファーマ株式会社
共催:大塚製薬株式会社

≪MASLD合併高血圧のマネジメント≫
~医療AIの最前線~

MASLD:代謝異常関連脂肪性肝疾患

非アルコール性脂肪肝疾患non-alcoholic fatty liver non-alcoholic fatty liver disease (NAFLD)

・2023年6月 欧州肝臓学会、米国肝臓学会、ラテンアメリカ肝疾患研究協会が合同で、代謝異常関連脂肪肝性肝疾患(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease:MASLD)を発表しました。同年9月には日本消化器病学会、日本肝臓学会も呼応してこの動きに賛同し、日本でもNAFLDからMASLDへ病名変更になりました。

脂肪肝に加えて

①人類差を考慮したBMIあるいは腹囲の高値
②空腹時血糖100㎎/dl以上、HbA1c5.7%以上、2型糖尿病の診断や治療
③血圧130/85以上、高血圧の治療
④中性脂肪150㎎/dl以上、高脂血症の治療
⑤HDL-C40 ㎎/dl以下、高コレステロールの治療

のいずれかが併存した疾患群をMASLDと定義されています。

分類困難であった、薬剤性の脂肪肝Specific aetiology SLDや病態が異なるやせ型脂肪肝Cryptogenic SLDも定義されています。

アルコール性については、元来のアルコール関連肝疾患alcohol-related liver diseasewをALDと称し、エタノール60g以上として、新基準エタノール30-60g群をMetALD(MASLD and increased alcohol intake)と定義した点が重要です。

≪CKD合併高血圧診療におけるARNIの位置づけ≫

二次性高血圧のなかでは、CKDに伴う腎実質性高血圧の頻度が最も高く、高血圧の重症化とともにCVDの発症率は増加する。

そのためCKD合併高血圧においては、特に24時間にわたる厳格な降圧が不可欠とされている。

・「慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)」とは、さまざまな原因によって腎臓のはたらきが徐々に低下していく状態のことをいいます。

日本のCKD患者さんは約1,330万人※で、成人のおよそ8人に1人が発症していると推定されており、現在は国民病の1つと考えられています。

・「心血管疾患(CVD:Cardio Vascular Disease)」の略。心臓の血管がつまっておきる狭心症や心筋梗塞などの病気をいう。

危険因子には、喫煙、高血圧、腎臓病、糖尿病、高コレステロール、肥満、ストレスなどがあり、症状が現れたときは重症となっていることが多く死に至る危険性も高い。

・CKD患者の腎組織と血管の状態をイメージしながらの介入がよい・・・腎臓内科ならではのアプローチ

※発表内容は演者個人の見解に基づくものであります。

CKD 환자의 신장 조직과 혈관 상태를 이미지화하면서 개입이 좋다

想象CKD患者的腎臟組織和血管狀態,介入良好

Good intervention while imagining kidney tissue and vascular conditions in patients with CKD.

2024.11.23|ブログ

第47回栃木県透析医学会

2024.11.16
「第47回栃木県透析医学会」

栃木県総合文化センターで『第47回栃木県透析医学会』が開催され獨協医科大学内科学(腎臓・高血圧)教授の賴建光先生が大会長を務められました。

県内の透析関連医療施設より、一般演題として当院から4演題を含む53演題がエントリーされ、日頃の透析に関わる臨床経験等を報告・発表した。

今回のテーマは「持続可能な栃木県透析医学会」であり、Sustainable(サステナブル)の考え方は、そのまま透析医療にも通ずるものがあると考えます。

SDGs(sustainable development goals)とは、国連総会で採択された”持続可能な開発のための国際的な開発目標”のことですが、透析医療も正に持続可能を考えていかなくてなりません。

透析治療は、「治すことではなく同じ治療に取り組み続けることが目標」になりがちです。腎臓移植をした20年後に腎機能が保たれている確率は現状6〜7割と言われており、多くのケースではその後も透析治療が必要になってしまいます。それが腎代替療法の宿命であり、難しさでもあります。

だからこそ、患者さんやその家族がそれぞれの治療法を理解し納得した上で選択できるように、丁寧に情報を提供し、患者さんとのコミュニケーションを積み重ねていかなければなりません。

近い将来には「CKM(保存的腎臓療法)」というものも新たな一つの選択肢になると想定されます。これは、患者さまが「腎代替療法を行わない」もしくは「透析治療を継続しない」ことを選択される場合に、症状や苦痛を軽減するために行われる緩和ケアを指すものです。

この療法に対して、患者さんや家族、社会から理解をいただくために、現在JSDT(日本透析医学会)ではCKMの基準や緩和ケアのあり方について、ガイドライン作成が進められているようです。

筆者の記憶だと、「透析治療をどこでも、快適に受けていただけるように」という方向性で、国や医療従事者の尽力により血液透析が全国各地に普及し、その通院先の選択肢の幅広さから患者さんにとって最も通院ストレスの少ない療法になった。という点が一つの大きな要因。

これに対して、腎臓移植の手術や腹膜透析や在宅血液透析に対応できる施設や医療従事者は数が限られてしまっているのが日本の透析問題とも言える現状です。

腹膜透析は「透析液の出し入れを1日に数回自分で行わなければならない」「お腹に透析液を入れることによる違和感や圧迫感がある」、在宅血液透析は、「介助者が必要」、「安全のリスク管理や不測の事態の対応を患者さん自身でできるのか」、腎臓移植については、「臓器移植や臓器提供に対する抵抗感がある」「ドナーが不足している」など、他にもさまざまな要因が考えられます。

日本の腎代替療法の中で、通院の血液透析を選択される患者さんは全体の約95%であり、現在は、このアンバランスを少しでも是正していくべきとの考え方が広まってきています。

患者さんが「腎代替療法(腎移植、腹膜透析、在宅透析、血液透析)を行うか、行わないか。行うのであればどれを選択するか」を、患者さん自身の意思で選ばれるような環境がBest。

腎代替療法はあくまで「本来あるべき腎臓の動きをカバーするもの」です。今日までの透析医療は今まで透析治療関連に従事されていた方たちの思いを継承し、現在活躍する透析医療関係者の方全ての積み重ねられてきた努力の先に、透析療法は驚異的な発展・普及・躍進を遂げ、今や全国約35万人もの患者さんが透析療法によって、命と日常をつないでおられます。

まだまだ、患者さんのために私たちがやるべき課題はたくさんあります。

頑張っていきましょう!

토치기현 투석학회에 참가했습니다

我參加了栃木縣透析學會。

I participated in the Tochigi Dialysis Society.

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

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