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2021.5.15|院長ブログ

栃腎友だより

栃腎友だよりにコロナウイルスワクチンについての話が掲載されました。

2020.12.28|院長ブログ

下野新聞

下野新聞に掲載されました。

2020.3.15|院長ブログ

歯の大切さについて ~透析患者さんと口腔ケア~

前回は美女と歯の関係を書きましたが、今回は透析患者さんの歯および口腔ケアについてです。前回同様、白く健康な歯や美しい歯茎はそれだけでなく、肺炎や動脈硬化、心筋梗塞にならず、長生きができるという良いお話をしたいと思います。

【歯と長生きについて】

私は22年間、透析センターを運営しています。その経験から透析患者様は歯周病や虫歯がある方がとても多く、入れ歯の方は透析していない方に比べ、はるかに多いことを実感しています。透析患者さんの死亡原因は心筋梗塞、脳梗塞、肺炎等が多いです。

つまり動脈硬化の進行や免疫機能が低下し易い傾向にあるからです。大動脈弁の石灰化は普通10年かかる進行が、透析になると3~3年と言われています。これも動脈硬化の一部と考えられると思います。腹部大動脈、脳血管、心臓の血管の動脈硬化の進行は早く、これは色々ありますが、炎症やリン酸カルシウムの血管内蓄積が主な原因と思っておりました。ところが、今回大阪医大口腔外科 植野高章教授の講演を拝聴し、単にそれだけではないことを痛感しました。

先生のお話によると、まず、歯が悪い人は肺炎や脳梗塞、心筋梗塞などにかかりやすい。歯垢からとってきた細菌をマウスに注射するとマウスの血管は動脈硬化が著明に進行すること。かつ動脈硬化の患者は口腔内の特異的な細菌と関係があったとのことです(前述)。

透析患者の口腔内の実態を調べた結果、透析していない人に比べ残歯数の低下や歯周病陽性率(86%が陽性)が高く、岩崎先生が7年間追跡するとなんと歯周病のある人はない人にくらべ4倍肺炎になりやすいとのことでした、また腹膜治療(CAPD)をしている患者では しっかり口腔ケアをすると腹膜炎が低下するとの発表(腎と透析85:241-243,2018)もあり、いかに口腔ケアが重要であるか再認識した次第です。

透析患者様の動脈硬化が進行しやすいこは、医学的に広く知られております。いろいろなサイトカインや炎症物質、遺伝子関連物質に目が行き、クロソーたんぱく質の変化やまた血中P値が高い動物は寿命が短いこと、全動物でもっともリンが低い動物はヒトであることなど、難しいことを聴くとこれが原因か、サイエンスはすごいと思ってしまいがちですが、しっかり歯を磨き、ケーキなどを控えた日常生活の習慣をしっかりすることこそが長生きをすると、昔からわかっていることを再認識いたしました。

昔の人は偉かったと感じています。これから患者様もですが、当方もしっかり歯磨きを頑張ろうと思った次第です。

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

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