ブログ

透析合併症対策講演会 IN OYAMA

2021.4.8 ブログ

透析合併症対策講演会 IN OYAMA

主催:協和キリン株式会社

最新の腎性貧血治療の講演会に参加させていただきました。腎性貧血患者のHb値を改善・維持できる薬剤は限られています。

慢性腎臓病(CKD)になると、赤血球の産生を刺激するエリスロポエチンの濃度が低下し、腎性貧血を発症するおそれがあります。少し前までは腎性貧血は、鉄剤(経口または静注)や赤血球造血刺激因子製剤(ESA)によって治療が行われていました(輸血も含む) 。

ESAは非常に効果が高い薬剤ですが、高用量を投与しても効果が得られないESA抵抗性の症例が存在することが知られています。また、近年では多数の関連学会等の研究結果から、ESAを使用する脳血管系・心血管系のイベント発生率と死亡率が上昇するおそれがあることも知られています。

私達のESA経験でも、安全性だけではなく、高価な薬剤という印象は今現在も存在しています。ESAは注射剤であることで、医療者側からの腎性貧血コントロールはし易いものの、保存期のCKD患者さんへの使用について、戸惑いも感じておりました。

2年に1度の官報で、ESAの価格が変動し、治療過程を複雑化させられた印象も。時として、ESAを減量し、その分鉄剤を増やしてみたりとか工夫していた事は記憶に新しいです。

ESAは、輸血に変わる画期的な腎性貧血の治療の要であったこと、また現在もそうではあるが、コメディカルからみても課題も多いのも事実でした。

2019年のノーベル生理学・医学賞を受賞した「細胞の低酸素応答の仕組みの解明」で、低酸素状態のときにエリスロポエチン遺伝子を活性化するタンパク質HIF(Hypoxia Inducible Factor,低酸素誘導因子)の誕生により?、新しい腎性貧血治療の治療が近年から始まったばかりで、各製薬会社から名前は違えど、ほぼほぼ機序はおなじで、低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬の5種目が近々発売予定で、我々からすれば混乱するほどのラインナップです。

今回は、協和キリン株式会社主催であり、ダーブロック(ダプロデュスタット: Daprodustat)を中心に展開されました。HIF-PH阻害薬5剤競合時代突入の中、ダーブロックの良さ(薬効を除く)は、5剤の中で一番安価であること。腎性貧血薬は、長く使用することが多く、効果が高く値段が安いことは、患者さん側からしても非常に助かると思います。まだまだ飲み方を工夫するなどすれば、CP良く非常に使用し易い薬剤に化けそうな予感も致しますが・・・。

HIF系は、低酸素状態に対する人体の応答を適度に調節して、血管新生を促すとともに、好気性代謝を低下させて嫌気性代謝を亢進させる役割を果たします。酸素濃度が正常範囲であれば、HIFはすみやかにHIF-PHによって代謝される一方、酸素濃度が低くなると、HIF-PHの酵素活性が低下してHIFは分解されず、そのHIFがEPOの分泌を刺激し、鉄の取り込みを増やして赤血球の成熟を促し、Hb値の上昇効果はESAより著効するわけでもないが、マイルドに効果ある薬剤であると、本日を含め、数多くの腎性貧血関連の院内や外部勉強会参加で擦り込まれています。

HIF-PH阻害薬は、虚血・再灌流障害によるダメージを防ぐことができ、低分子医薬品なので経口投与出来ます。ESAを管注する透析患者さんとは反対に、直接皮下注される保存期の患者さんは可哀想だと思っていましたが、低反応性の患者や保存期の患者さんに使用されていけばと思います。

まだまだ新しいHIF-PH阻害薬。ゆえにまだまだ理解や認知が不十分であり、我々は毎日の臨床や勉強会参加により、常に学習する必要があります。それぞれのHIF-PH阻害薬に期待も、使用時は鉄の利用亢進により、鉄の欠乏が生じる場合があり注意が必要です。さらに機能性鉄欠乏は炎症や低栄養等がもたらすもので、その状態で鉄投与さ続けると、フェリチンだけが高値となりうる。

薬がどんなに良くても、食事療法や運動療法と共に薬物療法として、三位一体で治療に取り組む必要がある事は言うまでもないですね。

투석 합병증 대책 강연회에 참석했습니다.HIF-PH억제제에 대해서 배웠습니다.
参加了透析并发症对策演讲会。学习了HIF-PH抑制剂。
I attended a lecture on dialysis complications.I learned about HIF-PH inhibitors.

2021.4.6 ブログ

院内勉強会

【災害弱者としての糖尿病患者】
〜災害への備え〜
岩手県立釜石病院
看護師長 坪井忠和先生
協賛:ロシュDCジャパン株式会社
2011年の東日本大震災時における災害医療対応の経験から、糖尿病患者をとりまく環境変化と問題点、災害弱者としての糖尿病患者、避難生活に伴う血糖管理の重要性について学びました。
災害弱者とは、障害者、傷病者体力の衰えた(あるいは)認知症の高齢者、妊婦、乳幼児や子供、外国人、旅行者らのことで、避難困難者である。
避難に伴う環境の変化は、新たな災害弱者を発生させてしまかねない。生活習慣病と言われている糖尿病。糖尿病患者は、災害避難生活で、災害弱者になりうる要素が多い。
避難所に対して、血糖測定器の供給がされ、自己血糖測定データは、災害により医療継続が困難な状況下で、糖尿病患者の健康状態を示す極めて有効な指標となったそうだ。
糖尿病患者さんへの災害への備え(日本糖尿病協会https://www.nittokyo.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=32)も、是非、参考にして下さい。
당뇨병 환자의 재해 대비를 배웠다.
学习糖尿病患者的救灾对策。
We learned about disaster countermeasures for diabetic patients.

2021.4.5 ブログ

退職セレモニー

デイケアを常に笑顔で盛り上げ、利用者全員からも慕われていました介護主任が退職することになりました。自身の新たな目標として資格取得をあげ、勉学に勤しむとのことで、皆でエールを送りました。

노년 담당 책임자의 퇴직
老年人福利负责人的退休
The senior care manager has retired.

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

Archives