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第47回栃木県透析医学会

2024.11.23

2024.11.16
「第47回栃木県透析医学会」

栃木県総合文化センターで『第47回栃木県透析医学会』が開催され獨協医科大学内科学(腎臓・高血圧)教授の賴建光先生が大会長を務められました。

県内の透析関連医療施設より、一般演題として当院から4演題を含む53演題がエントリーされ、日頃の透析に関わる臨床経験等を報告・発表した。

今回のテーマは「持続可能な栃木県透析医学会」であり、Sustainable(サステナブル)の考え方は、そのまま透析医療にも通ずるものがあると考えます。

SDGs(sustainable development goals)とは、国連総会で採択された”持続可能な開発のための国際的な開発目標”のことですが、透析医療も正に持続可能を考えていかなくてなりません。

透析治療は、「治すことではなく同じ治療に取り組み続けることが目標」になりがちです。腎臓移植をした20年後に腎機能が保たれている確率は現状6〜7割と言われており、多くのケースではその後も透析治療が必要になってしまいます。それが腎代替療法の宿命であり、難しさでもあります。

だからこそ、患者さんやその家族がそれぞれの治療法を理解し納得した上で選択できるように、丁寧に情報を提供し、患者さんとのコミュニケーションを積み重ねていかなければなりません。

近い将来には「CKM(保存的腎臓療法)」というものも新たな一つの選択肢になると想定されます。これは、患者さまが「腎代替療法を行わない」もしくは「透析治療を継続しない」ことを選択される場合に、症状や苦痛を軽減するために行われる緩和ケアを指すものです。

この療法に対して、患者さんや家族、社会から理解をいただくために、現在JSDT(日本透析医学会)ではCKMの基準や緩和ケアのあり方について、ガイドライン作成が進められているようです。

筆者の記憶だと、「透析治療をどこでも、快適に受けていただけるように」という方向性で、国や医療従事者の尽力により血液透析が全国各地に普及し、その通院先の選択肢の幅広さから患者さんにとって最も通院ストレスの少ない療法になった。という点が一つの大きな要因。

これに対して、腎臓移植の手術や腹膜透析や在宅血液透析に対応できる施設や医療従事者は数が限られてしまっているのが日本の透析問題とも言える現状です。

腹膜透析は「透析液の出し入れを1日に数回自分で行わなければならない」「お腹に透析液を入れることによる違和感や圧迫感がある」、在宅血液透析は、「介助者が必要」、「安全のリスク管理や不測の事態の対応を患者さん自身でできるのか」、腎臓移植については、「臓器移植や臓器提供に対する抵抗感がある」「ドナーが不足している」など、他にもさまざまな要因が考えられます。

日本の腎代替療法の中で、通院の血液透析を選択される患者さんは全体の約95%であり、現在は、このアンバランスを少しでも是正していくべきとの考え方が広まってきています。

患者さんが「腎代替療法(腎移植、腹膜透析、在宅透析、血液透析)を行うか、行わないか。行うのであればどれを選択するか」を、患者さん自身の意思で選ばれるような環境がBest。

腎代替療法はあくまで「本来あるべき腎臓の動きをカバーするもの」です。今日までの透析医療は今まで透析治療関連に従事されていた方たちの思いを継承し、現在活躍する透析医療関係者の方全ての積み重ねられてきた努力の先に、透析療法は驚異的な発展・普及・躍進を遂げ、今や全国約35万人もの患者さんが透析療法によって、命と日常をつないでおられます。

まだまだ、患者さんのために私たちがやるべき課題はたくさんあります。

頑張っていきましょう!

토치기현 투석학회에 참가했습니다

我參加了栃木縣透析學會。

I participated in the Tochigi Dialysis Society.

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