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宇都宮CLTI治療講演会

2022.12.16

2022.12.15
「宇都宮CLTI治療講演会」
主催:株式会社カネカメディックス
19:00~20:00

現在使われているCLI(Critical limb ischemia)という用語は「重症下肢虚血」あるいは「重症虚血肢」と訳され、救肢のためには早急に血行再建が必要と判断される差し迫った病状を示すものである。

今回新たに下肢虚血、組織欠損、神経障害、感染などの肢切断リスクを持ち、治療介入が必要な下肢の総称として、CLTI (chronic limbthreatening ischemia)の概念が提唱された。

CLTIを「包括的高度慢性下肢虚血」と訳す。

CLTIは、WIfI分類を用いて、対象肢を組織欠損、虚血、足部感染の要素で評価しており、具体的には、

①安静時疼痛があり、WIfI grade 3の虚血を認める下肢、

虚血要素は軽度でも感染により創傷治癒が遅延した糖尿病性足病変

③ 2週間以上治癒しない潰瘍のある下肢、

④壊死を認める下肢、

の4つの病態を包括して示す用語となる。

ただし、CLTIは下肢動脈疾患(LEAD, lower extremity artery disease)による虚血要素が少なからず病状に反映されていることが条件となる点に留意する必要がある。

※ESC/ESVS診療ガイドラインより
※日本血管外科学会ガイドライン委員会翻訳

《WIFI分類》

WIFI分類は末梢動脈硬化疾患の予後を予測し、適切な治療や管理の方針を決めるために用いられます。具体的には、潰瘍や壊死などによる組織欠損(W:wound)、虚血(I:ischemia)、足部感染(FI:Foot Infection)の3つの項目で評価します。これら3つの項目のgradeが高いほど、下肢切断や血行再建などを要する可能性が高くなります。患者さんの予後を正しく予測するためにも、正確な評価を行うことが大切です。

【Wound】

grade0・・・潰瘍・壊死なく安静時の疼痛のみ

grade1・・・踵以外骨露出のない浅い潰瘍、壊死はない

grade2・・・踵以外の骨・腱・関節に至る深い潰瘍、趾に限局する壊死

grade3・・・踵も含めた広範囲の深い潰瘍あるいは壊死

【ischemia】

grade0・・・ABI(≧0.80) AP(>100) TP, TcPO2(≧60)

grade1・・・ABI(0.60~0.79) AP(70~100) TP, TcPO2(40~59)

grade2・・・ABI(0.40~0.59) AP(50~70) TP, TcPO2(30~39)

grade3・・・ABI(≦0.39) AP(<50) TP, TcPO2(<30)

※足関節上腕血圧比(ankle-brachial index:ABI)、足関節血圧(ankle pressure:AP)、足趾血圧(toe pressure:TP)、経皮酸素分圧(transcutaneous oxygen tension:TcPO2)

【Foot Infection】

grade0・・・感染の徴候なし

grade1・・・局所の皮膚あるいは皮下組織に限局(発赤2cm以内)した感染

grade2・・・潰瘍周囲2㎝を超える発赤、深部の感染

grade3・・・SIRSを伴う感染

《レオカーナ治療のおける課題》

・レオカーナの治療効果判定

・血液透析以外の患者(非透析・PD患者)に対する適応

・長時間の体外循環となることに対して、通常の透析との兼ね合い・ベッド調整・患者理解の獲得

・治療開始タイミングの検討と院内連携

・長期継続のための地域連携

※発表内容は演者個人の見解に基づくものであります。

CLTI 조기 발견, 리스크 관리, 예후 개선에 있어 신장 영역 전문의(투석 담당의)의 역할은 매우 중요하다.
在CLTI早期发现、风险管理、预后改善中,肾脏领域专科医生(透析主治医生)的作用非常重要。
The role of a specialist in the kidney area (dialysis physician) is crucial in early detection, risk management, and prognosis improvement of CLTI.

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