スタッフブログ

Staff blog

2023.4.24|ブログ

旅行透析

2023.4.24
「旅行透析」

韓国より、12日間日本での家族旅行目的で
来日された透析患者さんの旅行透析を4回
受け入れさせていただきました。

無事に終了しました。

한국 환자가 일본에 와서 여행 투석을 받아들였습니다.
결혼 30주년 기념 여행으로 가족과 12일간의 일본 여행을 왔습니다.4회의 투석을 지원해드렸습니다.

韩国患者来日本接受了旅行透析。
患者作为结婚30周年纪念旅行,和家人一起来日本旅行了12天。支援了4次透析。

A Korean patient came to Japan and accepted travel dialysis.
The patient came to Japan with his family for a 12-day trip to celebrate his 30th wedding anniversary.We dealt with dialysis four times.

2023.4.20|ブログ

Nephrology Next Frontier

2023.4.19
「Nephrology Next Frontier」
-Anemia/CRA syndrome/ADPKD
主催:アステラス製薬株式会社 19:00~20:30

≪ADPKDの進行に影響する環境因子とHIF-PH阻害薬による貧血治療について≫

〈多発性嚢胞腎とは〉

腎常染色体優性(顕性)多発性嚢胞腎(ADPKD)は、最も多い遺伝性腎疾患で、本邦
では約4000人に1人の頻度で発生すると言われている。

両側の腎臓に多数の嚢胞が出現し、加齢と共に増大、腎容積が増大する。それに伴い、腎機能が徐々に悪化し、最終的に末期腎不全となり、人工透析が必要になる。腹部膨満症状が強く、食事が十分に摂れなくなり、るい痩が目立つ患者がしばしばみられる。

また、腎嚢胞だけでなく、しばしば肝臓にも嚢胞が出現し、多発性嚢胞肝(PLD)を呈する。原因遺伝子としては、PKD1遺伝子異常(約85%)、PKD2遺伝子異常(約15%)があると言われている。

最近では、まったく家族歴のないADPKD患者も10~20%程度いりと報告されている。また、PKD1遺伝子、PKD2遺伝子以外の遺伝子異常も報告されている。

〈遺伝的素因と環境的素因〉
ADPKDの腎嚢胞の発生・成長は、遺伝子的素因の方が強い

〈腎嚢胞の成長に環境因子も重要〉
・腎移植後に腎容積が大幅に縮小する
・透析導入後に腎容積が小さくなる
・PD患者では腎容積が増大し続ける
⇒腎代替療法の違いによる尿毒症、体液量、血圧の違いが腎容積に関係している

〈腎機能とACDKの関係〉
・腎機能悪化と共にACDKは増多する
・透析導入直後にはACDKは縮小する
・一部の患者(特に男性)でACDKは、透析導入後5年以上経てから、著明に増大する
・腎移植後にACDKは著明に縮小する
⇒ACDKの進行は、尿毒症に相関する
⇒ACDKとADPKDには、尿毒症を介した共通の腎容積増大経路がある可能性がある

▲ADPKDの進行には、血圧、塩分摂取量、肥満、尿毒症、体液過剰、嚢胞出血、など、様々な環境因子が影響している

▲様々な環境因子が影響するのは、ADPKDの嚢胞増大の経路が多数存在するためである

〈HIF-PH阻害薬によるADPKD患者の貧血治療〉
各HIF-PH阻害薬の医薬品リスク管理計画(RMP: Risk Management Plan)において、
“ADPKD患者における病態の進行”が重要な潜在的リスクとして設定されている

〈ADPKD患者に対するHIF-PH阻害薬の影響〉
・動物モデルでは、HIF-1αをノックアウトすることにより、腎嚢胞の増大が抑制さ
れたことが報告されている

・これまでの当院の少人数での経験では、透析中のADPKD患者の肝腎容積は、HIF-PH阻害薬投与中には増大していなかった

・肝腎嚢胞感染症で炎症反応高値が続いている患者で、HIF-PH阻害薬に変更後に、貧血の改善が見られた

≪心腎貧血症候群の病態について考える≫
・貧血のある心不全患者は予後不良
・貧血が悪化すると心不全患者の死亡が増加する
・貧血の程度が心不全での死亡に関係した
・貧血はCKDにおける心不全の重要なリスク因子

〈貧血を認める患者を見つけた時〉
①貧血の原因となる機序を考える
・血液の喪失(出血)
・赤血球産生の低下(骨髄の問題)

②赤血球の形態学的評価、網赤血球の反応
・大球性高色素性、正球性正色素性、小球性低色素性
・網赤血球数(骨髄での反応)
・Fe、フェリチン、UIBC、RET-He(鉄動態)
・Vit-B12、葉酸(その他の材料)
・ハプトグロビン、LDH(溶血の有無)
・エリスロポイエチン(腎性貧血の確認)
・便潜血・内視鏡検査(消化管出血)
・骨髄検査(骨髄の異常)

▲鉄欠乏により心筋細胞収縮能、拡張能が低下
▲鉄欠乏により心筋細胞の変性が起こる
▲心不全では心筋細胞内Fe、Tfr1発現が低下

〈鉄欠乏による細胞障害のメカニズム〉
・細胞内酸素貯蔵能の低下
・細胞内酸素運搬能の低下
・細胞内エネルギー放出の低下
・活性酸素代謝の低下

貧血の治療により心不全が改善することもある

〈まとめ〉
・心不全では貧血の存在が予後に大きくかかわる

・鉄代謝異常は心不全で高頻度に存在し、その病態に影響を及ぼす

・病態によって適切な貧血治療を考慮すべき

・HIF-PH阻害薬のCVDに対する有用性はまだ明らかではないが、鉄欠乏はCVD発症に関
係する

※発表内容は演者個人の見解に基づくものであります。

CRA syndrome을 중심으로 심부전이나 ADPKD에 대한 빈혈 치료를 배우다
以CRA syndrome为中心,学习对心力衰竭和ADPKD的贫血治疗
Study anemia treatment for heart failure and ADPKD, focusing on CRA syndrome

2023.4.19|ブログ

パーサビブオンライン説明会

2023.4.19
「パーサビブオンライン説明会」
主催:小野薬品工業株式会社 12:30~13:00

≪PARSABIV Drag information≫
PARSABIV(etelcalcetide hydrochloride)

パーサビブ(エテルカルセチド塩酸塩)は世界初の静注CaSR作動薬です。
パーサビブ(エテルカルセチド)、世界初の二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)の注射薬です。

おさらいですが、特徴として
①カルシウム受容体作動薬として世界初の注射剤。

②血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の患者において、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を抑制し、血清intactPTH(iPTH)濃度を低下させる。

③薬物相互作用を生じる可能性が低い。

ざっくり作用機序は、
腎臓がダメになり、リンの上昇やビタミンDが活性化しないことにより、血液中のカルシウムが低下する。それに伴い、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が増え、骨が弱まる。

これが二次性副甲状腺機能亢進症の概要である。

副甲状腺細胞表面にカルシウム受容体があるが、この受容体は副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を抑制したり、副甲状腺ホルモン(PTH)の生合成を抑制するのに関与している。

パーサビブ(エテルカルセチド)の作用機序に話を戻す。パーサビブ(エテルカルセチド)は、副甲状腺細胞表面に存在するカルシウム受容体に作用し、主に副甲状腺ホルモン(PTH)分泌の抑制を増強することで効果を示す。

医師の管理下で、透析終了時の返血時に透析回路静脈側から看護師らが確実に投薬できることから、コンプライアンスの向上や患者の服薬負担の軽減に繋がっている。

代謝酵素による影響をほとんど受けず、薬物相互作用のリスクが低いとの報告もあります。

※発表内容は演者個人の見解に基づくものであります

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

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