2017.2.19|ブログ
第7回日本腎臓リハビリテーション学会
第7回日本腎臓リハビリテーション学会
2017.2.18~19
つくば国際会議場
「腎臓リハビリテーションの実践と創造」…
〜CKD治療の展開に向けて〜
第7回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会を、平成29年2月18日(土曜日)、19日(日曜日)の2日間、つくば国際会議場で開催され参加して来ました。
当院としても2演題を発表して来ました。
当院も当たり前のようにFIMで評価をして来ていましたが、勉強不足で恥ずかしいのですが、初めてADL diffcultyを学び、今後新しい評価方法として取り入れて見たいと感じました。
そもそもFIMとは、正式名称は Functional Independence Measure で、日本語で機能的自立度評価法といいます。BI(Barthel Index)と並ぶ、最も臨床で使用されているADL(介護におけるADL「Activity of daily life」とは、一般的に「日常生活動作」と訳されることが多い。日常生活を送る上で、普段何気なくしていることや行動、行為を指す言葉の一つです。例えで言うのなら、食事や排せつ、移動や入浴等の基本的な動作などです。リハビリテーションや介護業界ではよく使われている言葉の一つではあるものの、中々馴染みの薄い言葉でもあります。)の評価法です。
FIMは主に介護量測定を目的として、全18項目を介護量に応じて完全自立〜全介助までの7段階で評価します。BIと比較してFIMは変化への感度が高いとされており、その理由はコミュニケーションや社会的認知を含む、実際に日常生活で行っている動作を評価するため変化が確認しやすいという大きな特徴があります。
FIMのような標準化された評価を用いることは、対象者の現在状況だけではなく、継時的変化や予後予測を客観的に明確に把握することにも繋がります。また医学的な知識は必要ないため、正しく内容を把握しておけば、専門職でなくても採点できる評価法です。
しかしFIMも歩行自立している方は満点評価になる場合が多く、以前より疑問を感じていました。しかし、今学会にてADL diffculty(ADLの困難度)の評価法を知り、個々リハビリテーション対象者のADL/QOL(quality of life=生活の質とは、人間らしく毎日をイキイキと過ごしているか、満足して毎日を送ることができているのかを評価する際に使用)の維持・向上を目指すためには、具体的にプログラムして行うことにより、個々の不足している身体活動能力についてpin pointにリハビリテーションを考えて行けるようになります。
当院もこの様に考えていきたいです。
2017.2.12|ブログ
「ボッチャ」体験
パラリンピックの正式競技でもあります「ボッチャ」を体験しに、栃木県福祉プラザに隣接する若草アリーナに来ました。
ボッチャ日本代表2名をお招きして、市民の一般参加も大勢で、大変盛り上がっていました。
http://www.tochi-shinkyo.org/1005.html
ちなみにボッチャとは、重度の脳性まひや同程度の重度障害が四肢にある人の為に、ヨーロッパで考案されたスポーツです。近年は障害の有無に関わらず、老若男女、誰でも楽しむ事が出来るスポーツとして注目されています。
トップレベルのアスリートともなると、レクリェーションとは一線を画する競技力で観る者を魅了します。
実際にボールを持って投げてみたら、意外と上手にいかず、微妙なコントロールや力加減が必要と感じました。本日は体験会でしたが、競技として行えば、緻密な戦略も必要となり、大変頭を使う競技であると言えます。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックのお手伝いしたいと考えている中、この様に実際に参加して体験する事で、より障がい者と競技の理解が出来るのではと考えております。
2017.2.9|ブログ
第2回栃木ADPKDフォーラム
第2回栃木ADPKDフォーラム
2017.2.9(木)19:00~21:05
会場:宇都宮グランドホテル 平安の間
本日は雪の降る中、宇都宮でADPKDの勉強会でした。…
ちなみにADPKDとは・・・常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal dominant polycystic kidney disease, ADPKD)は、腎疾患のひとつです。 多発性嚢胞腎の1タイプであり、ポリシスチン蛋白をコードする遺伝子の異常によって、腎臓に嚢胞が多発し、徐々に腎不全に至る疾患です。当院の患者及び関係者間でもADPKDが確認されていますので、私スタッフも知識として学んでおくことが必要でしょうね。
本日は、協賛が大塚製薬なのでトルバプタン(商品名サムスカ:常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の進行抑制に対して適応)もふまえて、一般演題・特別講演を聞いて来ました。
一般演題は、ADPKDに関する最近の施設状況についてで3名の演者(足利赤十字病院腎臓内科部長 平野景太先生、新小山市民病院腎臓内科部長人工透析科部長 今井利美先生、獨協医科大学循環器腎臓内科講師 里中弘志先生)から発表がありました。
また、特別講演は東京女子医科大学第四内科血液浄化療法科教授 土谷健先生による「ADPKDに関する最新の話題に関して」を聞いて来ました。
トリパブタンを適用と判断したが、職業上の理由、挙児希望、入院拒否等で投与出来ないケースもある。ADPKDに対するホットスポット的な調査は行われていないが、県内のADPKDの潜在数の割合は多いのではと考えられるという。難病認定の的確に行って、速やかに患者が治療に専念できる環境を作ることも必要です。発表もトリパブタンを慎重に使用しており、思っていたよりはトリパブタン使用率は低いように思えました。今回トルバプタンが適応となったのは「腎容積が増大し、かつ増大速度が速いADPKD」ということで、両側総腎容積が750mL以上であり、腎容量増大速度が年に約5%以上である時に適用できるとなっている。投与時のCCr値が60mL/min未満の患者では、有効性および安全性は確立したとの報告はあるようだが、まだまだ、標本数が絶対的に足りなく、投与したにせよ急速な肝障害に気をつけながら、今後の症例の積み重ねに期待したいところ。
患者さんをどうリクルート(見出す)するのかが難しいく、最低限の検診では癌発見がウエイトを占めているので、超音波診断でも初期の腎嚢胞では、検診判定は何か症状があれば病院に行きましょうレベルだそうです。
家族内に若い方へのアプローチも、ケースバイケースであるという。答えが見出せないのも分かるような気がしました。トリパブタンの服用基準に満たしていない(正常腎機能)患者でも、今後になる可能性の高い患者については服用を考えてあげたいと思っているようですが、高価な薬剤なので、やはり認定を受けてからとなるようで、この制度に対して疑問視する意見もありました。糖代謝系(グルコースを下げることで、嚢胞腎を抑制できる。嚢胞腎の方に糖尿病は少ないなど)の治療法が現時点では、注目を集めているそうです。
やはり、症例を積み重ねが重要と思います。
今後の臨床上の問題点は、
*どの患者さんの背中を押すべきか
*腎機能が正常の患者さんでは
*高齢の患者さんでは
*トリパブタン60mgからの増量は
*eGFR 15ml/minに近い患者さんでは
*〜15ml/min以下になったら・・・
*仕事、家庭・・・非医学的な制約のある患者さんでは
*嚢胞形成進行の速度は変わるのか
*嚢胞腎細胞の生物学的特徴へのアプローチ
それにしても、獨協医科大学循環器腎臓内科教授 石光俊彦先生、国際医療福祉大学病院腎臓内科教授 安藤康宏先生、自治医科大学腎臓内科主任教授 長田太助先生、独立行政法人地域医療機能推進機構うつのみや病院院長 草野英二先生と、栃木県の腎臓領域を代表する先生が集結し趣きのある会でした。

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