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糖尿病合同カンファレンス

2019.6.5 ブログ

糖尿病合同カンファレンス

糖尿病合同カンファレンス
당뇨병 스터디

日時:2019年6月5日 18時~20時
場所:自治医科大学教育・研究棟

今回のカンファレンス内容は、術前の経口血糖降下薬での血糖コントロールについてでした。一般的に、術前の血糖コントロールはインスリン製剤でのコントロールが主流です。理由は、血糖値を下げる最も確実な方法がインスリン注射であるからです。
インスリンで確実に血糖値を下げて、コントロールを良好にした上で手術を施行する流れになります。もちろん血糖コントロールを良好にする理由については、様々な合併症予防であることはご存知の通りです。

ではなぜ、今回の経口血糖降下薬でのコントロールの方針になったか?と言うと、患者の拒否が理由でした。説得はしたものの、「インスリンは絶対にやらねー」と訴え、経口血糖降下薬でのコントロールとなった訳です。

患者概要
心臓前壁梗塞#7 99%狭窄歴(ステントPCI施行済み)あり。HA1c 14%台。GAにすれば40%以上。胸部症状にて搬送、検査結果から3枝病変と診断され、心臓バイパス手術適応となり、血糖コントロール目的に入院。
今後は手術方向。
家族は妻と娘との3人暮らし
妻は要介護状態(患者が主に介護)
仕事は自営業
性格は頑固
過去に治療の自己中断歴あり

今回、拒否の明確な理由については最後まで患者からの言葉は引き出せなかったとの事でしたが、妻が要介護・娘が1人・自営業などの背景があり、自身の背負う役割が大きい事で様々な思いの中で拒否をしていたのだと私は感じました。

患者の拒否言動には、様々な理由があります。その理由を明確にし、アプローチをしていく事が大切であり、その後の信頼関係にも大きく影響します。そして拒否の理由は、殆どの場合、患者にしか分かりません。他者の考えでは突き詰めても推測の域を出ないので、患者の口からでしか真意は分からないものです。そのためにも日頃のコミュニケーションをおざなりにせず、大切にしたいと改めて考えさせられる症例でした。

2019.6.4 ブログ

院内勉強会

「ノベルジン」NOBELZIN
ノーベルファーマ株式会社 Nobelpharma

今回は亜鉛のお話です。亜鉛は成人の体内に約2g存在し、主に皮膚や骨、肝臓、眼球、筋肉などに含まれています。約200種類以上の酵素の構成成分であり、大変重要なミネラルです。通常の食事をしていれば不足することはないと言われていますが、近年、亜鉛不足が指摘されています。

亜鉛不足により味覚障害(食べ物の味は、舌にある味蕾という器官で感じ取ります。味蕾は新陳代謝が活発で約4週間のサイクルで生まれ変わります。亜鉛はこの働きを促しており、不足すると味覚障害が起こることがあります。)、免疫力の低下(亜鉛は免疫機能に関わりのある細胞の働きに影響があります。不足すると免疫力が低下し、肺炎などの感染症にかかりやすくなります。感染症だけではなく自己免疫疾患も亜鉛の低下に関わることがわかっています。)、爪や皮膚の異常(亜鉛は皮膚や粘膜、爪の状態を良好に保つのに役立ちます。原因疾患のない、かゆみを伴う皮膚や慢性湿疹そして爪の異常や脱毛も亜鉛欠乏が関わると考えられています。)、成長障害(亜鉛は細胞分裂・細胞増殖に不可欠なミネラルです。多くの酵素の構成成分となり、タンパク質やホルモンの合成、DNAの複製などに深く関わります。そのため亜鉛欠乏により乳幼児や子どもでは成長障害を起こすことがあります。)、男性はED障害の可能性(亜鉛は生殖機能に深く関与しています。男性の体内では、精子や男性ホルモンのテストステロンの生成に関与しています。不妊男性では亜鉛の不足が見られ、精子の運動率と精子数に関わることがわかっており、ED(勃起不全)を引き起こすと言われています。)などがあげられます。

亜鉛がなくなる原因は、偏った食事や、極端なダイエットにより亜鉛の摂取量が不足していると近年指摘されています。亜鉛は肉類や魚介類などに多く含まれています。また、食物繊維や青菜に含まれるシュウ酸は亜鉛の吸収を阻害するため、肉類や魚介類を食べないベジタリアン、ビーガンなどは不足しやすいミネラルと言われています。亜鉛の摂取量不足だけでなく、亜鉛の吸収を阻害する食品添加物(ポリリン酸など)を含む加工食品やレトルト食品を多く利用することも、亜鉛不足を招きます。さらに、お酒をよく飲む方も注意が必要です。アルコールの代謝に関わる酵素は、亜鉛を材料としています。お酒を飲むことで体内の亜鉛が使用されるだけでなく、アルコールは尿中への亜鉛の排泄を促します。

亜鉛不足を解消するためには、食事管理が一番です。亜鉛は全ての細胞に含まれるので、肉・魚介・種実・穀類など多くの食品に含まれています。特に多いものとしては牡蠣、あわび、たらばがに、するめ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、高野豆腐、納豆、えんどう豆、切干大根、アーモンド、落花生などです。偏食や極端なダイエットを避け、一汁三菜のような食事を摂ると、亜鉛は十分量摂取できます。

亜鉛を失いやすい抗菌剤や利尿剤を常用している場合は、医師との相談も必要です。
鉄を多く摂ると亜鉛の吸収が阻害され、亜鉛を多く摂ると銅の吸収を阻害するので、他のミネラルとのバランスも必要です。通常の食生活では過剰の心配はありませんが、摂りすぎると頭痛などの症状が表れることがあります。

食事管理が難しい透析患者さんの低亜鉛状態の時には、低亜鉛血症治療薬「ノベルジン」が有効とのことです。

2019.6.3 お知らせ

第5回 健康福祉まつり開催

7月7日(日)10:00~15:00 雨天決行
第5回 健康福祉まつりを開催いたします。
どなたでもご参加いただけます。
お気軽にご来場ください!

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

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