2019.5.23 | ブログ
下野SHPT治療セミナー
2019年5月23日(木)
自治医科大学 教育研究棟
SHPT seminer
Etelcalcetide /Parsabiv
一般講演
座長 齋藤修先生
自治医科大学附属病院 透析部 教授
演者 猪瀬桂子先生
おぐら内科・腎クリニック 看護主任
「透析スタッフから見た静注製剤(エテルカルセチド)の有用性」
まずはじめに、二次性副甲状腺機能亢進症は慢性腎臓病の合併症で、副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される病態。PTHの過剰分泌により骨からのリンやカルシウムの血中への流出が促進され、骨痛や関節痛などの症状が引き起こされる。「パーサビブ(エテルカルセチド)」は副甲状腺にあるカルシウム受容体に作用することでPTHの過剰分泌を抑制し、血中のP値・Ca値を低下させるとされている。
今回の発表は、内服製剤がある中で、静注製剤を使用する事での利点をお話ししていただけました。
内服製剤では、飲み忘れなどのアドヒアランス不良がある中で、静注製剤に切り替える事で、患者様の負担が減少し、血液検査結果も安定したなどが挙げられました。
演者 三木拓也先生
小山すぎの木クリニック 医師
「静注Calcimimeticsが及ぼす骨への有用性」
二次性副甲状腺機能亢進症の発症、進展から、骨代謝マーカーについてを詳しく説明いただきました。
本邦では、シナカルセト、エボカルセト、エテルカルセチドが治療薬として使用されている。
今回は、エテルカルセチドとエボカルセトの比較検討についてお話しいただきました。
明らかな有意差は見れませんでしたが、エテルカルセチドは破骨抑制がされると示唆されました。
特別講演
座長 長田太助先生
自治医科大学 腎臓内科部門 教授
演者 池田直史先生
埼玉石心会病院 腎臓内科 部長
さやま腎クリニック 院長
「SHPTに対する新しい治療〜Calcimimetics注射製剤を用いた管理方法〜」
はじめに、二次性副甲状腺機能亢進症の治療の重要性について、過去のエビデンスやガイドラインについてお話しいただきました。
エテルカルセチドの長期臨床試験ではシナカルセトからエテルカルセチドへ切り替えてから1年後には、87.5%の患者様がガイドラインの管理目標値になった報告が挙げられています。
シナカルセトを高容量を内服していて、データコントロールされている患者様に対してエテルカルセチドに切り替えると、初回容量が不足してしまうことが危惧される。ただ、低容量服用では全症例で切り替えることで、補正Ca、PTH、BAP、TRACP-5bが有意差をもって低下した。
リン吸着薬を9錠以上内服している患者様は、アドヒアランス不良の報告もあげられた。
透析患者様の高齢化も進んでおり、アドヒアランス不良に関しては静注製剤での治療をする必要がある。
また、低栄養に対してリン吸着薬を使用し、リンを下げすぎる事も生命予後を悪くする。
便秘を改善することで、リン濃度が低下された報告もあった。
リン吸着薬を増やすだけでない対策も必要である。
2019.5.16 | ブログ
第1回ポルドブラ体験教室
日程:2019年5月16日(木)
場所:自治医科大学 大会議室
STEC(下野運動療法勉強会)の活動でポルドブラ体験をしてきました。
※ポルドブラとは…
ポルドブラという言葉はフランス語で、正式に書くと「Port De Bras」という表記になります。もう少し細かく解説するとPortがポル、Deがド、Brasがブラという塊で意味が成り立っています。そしてこれを直訳すると、「手の運び・動き」という意味になりますバレエ用語の一つで、エアロビクスなどの激しいダンスでなく、ゆっくりとした動きで体幹の力をつける運動です。
おもに以下の効果が期待できます。
・姿勢が良くなる
・体が引き締まる
・基礎代謝があがる
・バランス感覚が良くなる
次回の企画もありそうなので、皆様も参加してみませんか?
포르도브라 운동 체험
Port De Bras 運動體驗
2019.5.16 | ブログ
透析スタッフのためのWebフォーラム
「透析患者の不整脈〜こんな時、どうする〜」
18:30〜19:30 栃木市大平健康福祉センター
中外製薬主催
医療法人財団 青葉会
青葉病院院長 長谷弘記先生のWebセミナーに参加して来ました。
不整脈を診るためには心電図が有効で、正しく部位に電極を装着します。
また、透析中の不整脈のみを診るためにはモニター心電図が有効です。
様々な心電図波形も詳細に説明下さいましので、大変分かりやすい講話でした。
おさらいにもなりますが、透析と心臓疾患は密接な関係にあります。透析を受けている患者さんにとって、心臓病はとても重要な病気なのです。透析患者さんの死亡原因をみてみると、ざっくりですが透析患者さん全体の約3分の1が心不全や心筋梗塞といった心臓病で亡くなっています。
透析患者さんの心臓が悪くなる原因は、大きく2つに分けることができます。
①腎臓が働かないために、体内をめぐる血液の量が増加して、心臓に余分な負担がかかる。
②心臓に酸素や栄養を送っている冠動脈がつまってしまい「虚血性心疾患」になる。
透析患者さんは、はっきりとした症状がなくても虚血性心疾患にかかっている場合が多く、統計上では、約6割の方が虚血性心疾患にかかっているといいます。この2つがサイレント的に心臓に徐々に負荷を与えていき、心臓を疲労させていきます。その心臓の疲労こそが、透析患者さんの死亡原因の中で最も多い「心不全」になります。
虚血性心疾患は、心臓の血管が動脈硬化により血液の流れが悪くなることによって起こります。しかし、動脈硬化ができていても、はっきりとした自覚症状がない場合もあります。動脈硬化は厄介であり、動脈硬化部分が大きくなったりすることで、血液が流れる血管部分が細くなると、そこで血管がつまり血液がその先へ流れなくなってしまいます。血液が流れなくなると酸素が届かなくなることで、狭心症や心筋梗塞の発作として、症状として大変苦しい思いをされてしまいます。その他にも、高カリウム血症・血栓由来の重篤な疾患からも心臓に強くダメージを与えますので、注意が必要なのです。
治療方法も、血栓形成抑制からカテーテルアブレーション、抗不整脈薬、心拍コントロールなどありますが、いろいろ注意が必要で長い期間を要します。
症状がないからといって、大丈夫とは言えませんので、自分の体の事なので定期的にきちんと検査することをお勧め致します。これは、透析患者さん限定ではなく、高齢者や生活習慣病やその予備軍の方は、定期的な受診での検査をしていただきましょう。心臓は一度ダメージがあると元には戻らないため、心臓の悲鳴でもある不整脈をチェックしていく必要があるのです。
Web seminar
투석 환자의 부정맥에 대하여
透析患者心律失常
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