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透析スタッフのためのWebフォーラム

2019.5.16 ブログ

透析スタッフのためのWebフォーラム

「透析患者の不整脈〜こんな時、どうする〜」
18:30〜19:30 栃木市大平健康福祉センター
中外製薬主催

医療法人財団 青葉会
青葉病院院長 長谷弘記先生のWebセミナーに参加して来ました。

不整脈を診るためには心電図が有効で、正しく部位に電極を装着します。
また、透析中の不整脈のみを診るためにはモニター心電図が有効です。
様々な心電図波形も詳細に説明下さいましので、大変分かりやすい講話でした。

おさらいにもなりますが、透析と心臓疾患は密接な関係にあります。透析を受けている患者さんにとって、心臓病はとても重要な病気なのです。透析患者さんの死亡原因をみてみると、ざっくりですが透析患者さん全体の約3分の1が心不全や心筋梗塞といった心臓病で亡くなっています。

透析患者さんの心臓が悪くなる原因は、大きく2つに分けることができます。
①腎臓が働かないために、体内をめぐる血液の量が増加して、心臓に余分な負担がかかる。
②心臓に酸素や栄養を送っている冠動脈がつまってしまい「虚血性心疾患」になる。

透析患者さんは、はっきりとした症状がなくても虚血性心疾患にかかっている場合が多く、統計上では、約6割の方が虚血性心疾患にかかっているといいます。この2つがサイレント的に心臓に徐々に負荷を与えていき、心臓を疲労させていきます。その心臓の疲労こそが、透析患者さんの死亡原因の中で最も多い「心不全」になります。

虚血性心疾患は、心臓の血管が動脈硬化により血液の流れが悪くなることによって起こります。しかし、動脈硬化ができていても、はっきりとした自覚症状がない場合もあります。動脈硬化は厄介であり、動脈硬化部分が大きくなったりすることで、血液が流れる血管部分が細くなると、そこで血管がつまり血液がその先へ流れなくなってしまいます。血液が流れなくなると酸素が届かなくなることで、狭心症や心筋梗塞の発作として、症状として大変苦しい思いをされてしまいます。その他にも、高カリウム血症・血栓由来の重篤な疾患からも心臓に強くダメージを与えますので、注意が必要なのです。

治療方法も、血栓形成抑制からカテーテルアブレーション、抗不整脈薬、心拍コントロールなどありますが、いろいろ注意が必要で長い期間を要します。

症状がないからといって、大丈夫とは言えませんので、自分の体の事なので定期的にきちんと検査することをお勧め致します。これは、透析患者さん限定ではなく、高齢者や生活習慣病やその予備軍の方は、定期的な受診での検査をしていただきましょう。心臓は一度ダメージがあると元には戻らないため、心臓の悲鳴でもある不整脈をチェックしていく必要があるのです。

Web seminar
투석 환자의 부정맥에 대하여
透析患者心律失常

 

院長ブログ/小山すぎの木クリニック

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